2026年6月、飛鳥・藤原の宮都(橿原市、桜井市、明日香村)が、ユネスコ世界文化遺産への登録が適当であるとの勧告を受けました。
飛鳥宮や藤原宮の遺跡は、日本が律令国家として形を整えていった時代を今に伝える貴重な文化遺産です。
飛鳥時代、日本の政治の中心は飛鳥にありました。
その後、藤原京が築かれ、さらに平城京へと都は移ります。
この時代、都を支えるためには人や物資を運ぶ道路が欠かせませんでした。
奈良盆地には、上ツ道・中ツ道・下ツ道と呼ばれる古代の南北道路が整備されていました。
なかでも上ツ道は、飛鳥地方から奈良盆地北部へ向かう重要な幹線道路のひとつでした。
現在、当店の前を通る上街道は、その上ツ道の流れを受け継ぐ道とされています。
桜井市の海石榴市は、古代から交通と交易の要衝として栄えました。
東国や伊勢方面から運ばれた物資が集まり、奈良盆地各地へ運ばれていったと考えられています。
上ツ道は、そうした人や物資の流れを支えた道のひとつでもありました。
飛鳥から藤原京へ。
藤原京から平城京へ。
奈良の歴史は、都だけではなく、それらを結んだ道によって支えられていました。
古代の都は姿を変えましたが、その時代に育まれた文化の一部は今も奈良に残っています。
当店でご提供している飛鳥鍋も、そのひとつです。
飛鳥鍋は飛鳥地方に伝わる奈良の郷土料理で、鶏肉や野菜を牛乳仕立ての出汁で煮る独特の鍋料理です。
飛鳥・藤原の宮都が世界遺産として注目を集める今、遺跡だけではなく、そこへ続く道や受け継がれてきた食文化にも目を向けていただければと思います。
飛鳥から平城京へと続く歴史の流れの中で、上ツ道沿いに残るならまちを歩き、奈良の郷土料理を味わう。
そんな奈良散策もお楽しみいただければ幸いです。




