【奈良の水文化と井戸のある暮らし】

昨日、庭の井戸蓋を新しくしました。

使った竹は、五條に住む従兄弟が真冬に切り出し、大切に保管してくれていたものです。それを一本ずつ並べ、縄で編み上げて井戸蓋としました。

青竹の色が美しく、初夏の庭によく映えています。

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当店には現在二つの井戸が残っています。

昔は三つあったと伝わっていますが、建物の改修などを経て一つは失われました。それでも二つの井戸が残っていることに、この建物が歩んできた長い年月を感じます。

今では蛇口をひねれば水が出ますが、昔はそうではありませんでした。

飲み水を汲み、料理を作り、庭に水を撒く。人々の暮らしは井戸とともにありました。

奈良盆地は古くから水を大切にしてきた土地です。

奈良県内には「水分」と書いて「みくまり」と読む神社があります。「水を分ける」という意味を持ち、山に降った雨が田畑や人々の暮らしへ行き渡ることを願った信仰です。

私も以前、宇陀市の宇太水分神社を訪れたことがあります。奈良には古くから水の恵みに感謝し、水を守ろうとする文化が息づいていることを改めて感じました。

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当店が建つ上ツ道も、古代から人々が行き交った道です。

この場所でも何代もの人が暮らし、井戸の水を使いながら日々の営みを続けてきたのでしょう。

今回新しくした竹の井戸蓋も、そんな昔から続く暮らしの一場面です。

ご来店の際は、料理だけでなく庭の片隅にも目を向けてみてください。

初夏の青竹とともに、奈良の人々が大切にしてきた水の文化を感じていただければ幸いです。

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