奈良国立博物館では、特別展 「南都仏画 ―よみがえる奈良天平の美―」 が開催されています。
約20年の構想を経て実現した展覧会で、国内外に所蔵される貴重な仏教絵画が一堂に会する貴重な機会です。
そして、この特別展をご覧になったなら、ぜひその足で仏像館にも立ち寄っていただきたいと思います。
実は、仏像館は令和8年9月14日から約1年半、屋根などの改修工事のため休館に入ります。
約130年前、明治28年(1895)に建てられた歴史ある建物を未来へ受け継ぐための大切な工事です。
約1年半ということは、秋の風物詩である正倉院展を2回迎える長い休館となります。
私も行ってきました
私も先日、南都仏画展を鑑賞してきました。
展覧会そのものの感想は、もう少し整理してから改めて追記したいと思いますが、奈良の仏教美術の奥深さを改めて感じる、大変見応えのある展覧会でした。
そして今回は、もう一つ楽しみにしていたことがあります。
仏像館で初めて音声ガイドを借りることです。
特別展では毎回音声ガイドを借りますが、仏像館は「いつでも来られる」という気持ちがあり、これまで一度も利用したことがありませんでした。
受付で申し込むと、スタッフの方が笑顔で、
「ぜひ、お子さん向け(入門編)をどうぞ。」
と勧めてくださいました。
「子ども向け?」
少し意外に思いましたが、勧められるまま300円の入門編を選ぶことにしました。
これが予想以上に面白かったのです。
難しい専門用語はほとんどなく、説明も親しみやすい言葉ばかり。
途中にはクイズも用意されていて、次はどんな話が聞けるのだろう、と最後まで飽きることがありませんでした。
四天王のクイズ
特に印象に残ったのが四天王像でした。
東大寺大仏殿には、かつて巨大な四天王像が安置されていましたが、現在は失われています。
仏像館には、その姿を今に伝えていると考えられる四天王像が展示されており、美しい彩色も残っています。
「大仏殿の四天王像も、きっとこのような色鮮やかな姿だったのだろう。」
そんなことを想像しながら眺めていました。
すると音声ガイドから、こんなクイズが出されました。
「四天王のお顔の色が、それぞれ違うのはなぜでしょう?」
私は途中で「あっ、そういうことか」と気付き、思わず嬉しくなりました。
答えはここには書きません。
ぜひ音声ガイドを借りて、ご自身で楽しんでいただければと思います。
実は思い出したこと
このクイズを聞いて、ずいぶん前のことを思い出しました。
以前、店のトイレを改装する際、天井をキトラ古墳の天文図に、壁を四神で飾れないかと本気で考えたことがあります。
見積もりを取ると、とても手が出る金額ではなく断念しましたが、その時に四神と方角、そして色との関係について随分勉強しました。
そのおかげで、今回のクイズはすぐに分かりました。
奈良を歩いていると、一見別々に見える知識が、思わぬところでつながることがあります。
そんな瞬間も、奈良歩きの楽しさの一つだと思います。
この夏だけの楽しみ方
南都仏画展をご覧になり、そのまま仏像館へ。
そして、もし時間に余裕があれば、ぜひ音声ガイドも借りてみてください。
仏像館を何度も訪れたことがある方でも、新しい発見があるはずです。
奈良国立博物館のあと、ならまちでランチを
奈良国立博物館をゆっくり見て回ったあとは、奈良公園から少し足を延ばして、ならまちで昼食はいかがでしょうか。
奈良国立博物館から「はり新」までは徒歩約15~20分。
博物館から興福寺・猿沢池方面へ歩き、猿沢池から南へ進むと、古い町家が残る「ならまち」へ入ります。
はり新は、世界遺産・元興寺の西側、古代から続く道「上ツ道」沿いにある和食店です。
奈良公園周辺の賑わいから少し離れた町家で、ゆっくりとランチをお楽しみいただけます。
👉 【ご予約】
奈良の食文化も一緒に
せっかく奈良国立博物館を訪ねるなら、昼食にも少し「奈良」を感じていただければと思います。
はり新では、吉野葛や大和野菜、柿酢など奈良にゆかりのある食材を取り入れた「かみつみち弁当」をご用意しています。
また、奈良・飛鳥地方に伝わる郷土料理「飛鳥鍋」もお召し上がりいただけます。
仏画を鑑賞し、仏像に出会い、その余韻のまま奈良公園からならまちへ。
美術や歴史だけでなく、食を通して奈良を楽しむ一日にしていただければ幸いです。
なお、仏像館は休館後も奈良国立博物館は開館を続け、青銅器館の無料公開や仏像館の一部名品の展示も予定されています。
その様子についても、始まりましたら改めてご紹介したいと思います。

